第二の母
に会いにいく
三茶の女将のことね
“久しぶりね”“元気だった?”
あいかわらず女将はボクを笑顔で迎えてくれる
いつものメニューをたのんで
ちょっと話をした
「女将さん、今度オレ店出そうと思ってるんだ」
-あら、そうなの。なにやるの?
「バ、バー。バーを出そうかと思ってるの」
-そうだったの!あら……、そうだったの
実は女将にはバーテンダーやってるって言ったことがなかった
もう6~7年通ってるけど、一度も普段何してるかとか話したことはなかったのね
そういうこととか関係なく付き合ってた
ここ数年、こんなことやってて
そんでもうすぐそれをかたちにしようかと思ってるんだよねーとか話して
それから二人で店の話してた
うれしいわー
がんばって
たのしみね
最初はタイヘンよ
いっぱい悩みなさい
でも絶対に続けなさい
どれも説得力があって
あの店ももう13年くらいかな
あの立地で、あのスタイルで
ホント奇跡の店だって思ってるから
ついついしゃべり過ぎたね
そして飲み過ぎたね
こどものいない女将は半年くらい前からたまにボクのことを“息子”って呼びます
あの店のお皿はもう全部ソウルフードです
帰り際、いつもの別れの挨拶
「またきまーす」
そしたら女将はまた“がんばってね”
それから
-あなたはすぐ無理するんだからからだには気をつけなさいよ
って言った
もうまた食いにいきたくなったよ
Barを出すことで、それが女将の刺激になってくれたらいちばんうれしいんだよな