表参道bar & curry noi(バーアンドカリーノイ):Blog

元“出張バーテンダー”・現“ギネス番長”のお酒Blog

なぜ「樽詰ギネスのお店」はあまりなくて、「サージャーギネスのお店」が増えたのか?? / GUINNESSのお話 その7

今回はちょっと裏事情的なお話です

普段あまり気にすることのない、お店サイドの視点のお話です

前回“サージャー”についてのトピックで、「日本では樽詰めギネスをお店に置くのはなかなか難しい」というようなことを言いましたが

その理由を詳しく説明しましょう

「なぜ“樽詰ギネス”のお店はあまりなくて」

「なぜ“サージャーギネス”のお店が増えたのか」

まず言っておきたいのが

どの飲食店のオーナーさん・店長さんも、GUINNESSを自分のお店に入れるなら

「サージャー」より「樽詰」にしたいと思っています

なぜなら「樽詰ギネス」が“本物”のギネスだからです

(ここで言う“本物”とは「元来ある姿」という意味です。決して「サージャーギネス」が“偽物”と言っているわけではありません)

しかしお店の状況を考えて、「サージャー」を選択しているのです

That’s why??

簡単に言ってしまうと

「クオリティ維持の問題」

「スペースの問題」

この二つの言葉に集約されるでしょう

では、ギネスは他の樽ビールとどこが違うのでしょう??

まず、ギネスは「ガス」が違います

樽詰ギネスは窒素ガスと炭酸ガスの混合ガスを使用します(写真・左)

通常のビールは炭酸ガスです(写真・右)

gas.jpg

樽詰ギネスを入れるということは、ギネス専用のガスをつながなくてはいけないので

当然その分スペースをとってしまいますね

「そんなちょっとばかしのスペース」とバカにしないでください

どの飲食店もなるべく客席スペースをとろうとして

カウンターやキッチンのスペースをギリギリに設計しています

ただでさえ、サーバーや樽など、ビールにはスペースを取られているので

これ以上の空間の出費は小さくない問題です

そして、ギネスは「容量」も違います

ギネスの樽には「20リットル樽」と「30リットル樽」の二つのサイズしかありません

他のビールでは大抵「10リットル」という容量があります

中には「7リットル」があるビールもあります

大きい容量の樽しかないとなると、スペースも余分にとりますが

何より、「品質の維持」に影響が出るのです

樽ビールは鮮度が命です

これはギネスだけでなく、他のビールにも言えるでしょう

ちなみに開封してから良好な状態に保てる期間は

設置されている環境によりますが、だいたい5日間くらいまで

長くても7日間くらいまでではないでしょうか

「一週間もあれば20リットルくらい楽勝に空けちゃうでしょう」

と思われるかもしれませんが、これがなかなか

通常日本のお店では、生ビール(樽ビール)がギネスや黒ビールだけというところはないでしょう

必ずピルスナータイプのビール(サッポロ黒ラベルやモルツやスーパードライなどなど)も置いてあるはずです

アイリッシュパブなど、ギネスを全面に出しているお店ならまだしも

大抵のお店はどんなに力を入れていてもギネスよりピルスナータイプのビールの方が断然注文されます

ピルスナー「3」に対し、ギネスが「1」出ればいい方じゃないでしょうか

つまり、一週簡に20リットルを売り切るというのはそう簡単ではないのです

開封してから5日や一週間経ってしまうと品質が劣化し、

さらに注文されなくなるという悪循環に陥ります

店長さん達は、「ギネスの樽に10リットルのものがあれば……」と思っているでしょう

品質を維持するには、何とか開封して早いうちに売り切ってしまうか

例えば【Bar noi(バーノイ)】のように樽の温度を管理したりするなどの工夫が必要です

以上の理由から、飲食店のオーナーさん・店長さん達はなくなく「樽詰ギネス」を諦め

スペースをとらない・品質が劣化することのない、「サージャーギネス」を選択しているのです

今度「樽詰ギネス」を置いてあるお店に入ったら

〈なかなかがんばっているんだなぁ〉とちょっとだけねぎらってあげてください(笑

※(注)

2009年6月よりギネスの日本での取り扱いが「サッポロビール」から「キリンビール」に切り替わったため、樽の容量が〈15L〉と〈30L〉 になっています

gui31.jpg

“渋谷・円山町の裏通りにあるギネスとハーブリキュールとサッカーのお店”【Bar noi(バーノイ)】のホームページはこちら

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