オー・ド・ヴィー その弐 ~悪魔に出すお酒~
蒸しっと暑い、そんな夜が続いていますが
麦酒(Beer)が気持ちいいですね
ビアガーデンとかでついつい飲み過ぎたりしてませんか??
今回は、お酒と物語について
お酒が登場する物語はそれこそ世界中で無数にありますが
飲み過ぎて後悔してしまう夜にこんなstoryはいかがでしょう
ロシアの文豪・トルストイの寓話です
* * *
山の小屋にひとり、生真面目で貧乏な百姓がいた
ある日、小悪魔がパンきれを盗んで百姓を怒らせ、悪の道に引き入れようと画策した
木の上に隠れ、パンを盗まれたことに気づいた百姓が腹を立てて悪魔を呼ぶのをじっと待っていた
しかし百姓は「腹を減らした奴が取ったんだろう」とあっさり諦め、怒ることなく耕作に励んだ
小悪魔は地団駄を踏んで悔しがり、そして、大悪魔からひどくしかられてしまった
その後、小悪魔は名誉挽回の作戦にでた
まず小悪魔は百姓に取り入り、豊沃な土地を与え、豊作にする方法を教えてやった
数年後、穀物がたっぷり実ると、今度は麦をつぶして酒を醸すことを百姓に教えた
百姓は酒を造ると、仲間を集めて酒を振舞った
最初のうちはみんな百姓に感謝をし、百姓もいつも通りの笑顔でもてなした
しかし酒を飲むうちに、この豊沃な土地の取り合いの口論がはじまった
彼らは狐のように狡猾になり、狼のように怒りっぽくなり、ついには豚のようにごろごろ転がって眠ってしまった
その様をみた大悪魔は驚いて、小悪魔を自らの元に呼びつけた
「おまえはいったいどんな手を使ったんだ
あれだけ無欲だった男がいまや強欲にかられて何度も悪魔を呼んでいる ではないか……」
小悪魔は答えた
「何も特別なことはしていません
悪魔は元々あの男の中にもいて、私はその悪魔を呼び起こすため、ほんの少し手助けをしただけです」
こうして小悪魔は、生真面目で貧乏な百姓を堕落させることができたのです
* * *
ぼくらバーテンダーはアルコールの力で悪魔を呼ぶことができる
でもどうせ呼ぶのなら
悪魔なんかではなく、みんなの奥にあるHappyな心を呼び起こしたいね
ルフィーノ・モドゥス2002を飲みながら